理事長挨拶

作成日:2016.09.27

更新日:2017.06.30

理事長就任のご挨拶

写真「理事長:檜山英三」

この度、日本小児血液・がん学会理事長に就任いたしましたのでご挨拶申し上げます。

2012年に日本小児血液学会と日本小児がん学会が統合されて発足した本学会は、既に4年が経過しました。石井榮一初代理事長、堀部敬三前理事長の下で統合学会としての基盤整備が行われ、事務局移転、一般社団法人化を経て新たな体制作りが進められて参りました。私は、これまでの歩みを踏まえるとともに、統合時の所信を忘れることなく、理事・評議員をはじめ、会員の皆様のご理解とご協力を得て本学会の更なる発展に必要な事業を推進していく所存です。

本学会の使命は、小児血液・がん疾患を取り扱う中心的な学会として小児造血器疾患や小児がんの学術研究発展に寄与するとともに、国内外や成人領域を含めた関連領域に働きかけて、思春期も含めた小児の血液疾患や小児がんの患者・家族により良い医療を提供すべく医療体制・環境を構築していくことです。そのために、小児血液・がん専門医および小児がん認定外科医の育成・認定、そして研修施設の認定が開始され、国民に小児血液・がん診療が提供できる医療機関や専門医を認定して公開するとともに、新専門医制度に向けて対応していきます。さらに、多職種への資格制度や教育・研修の機会提供及び内容のより一層の充実を図り、人材育成を推進します。また、従来から取り組んできた小児の血液疾患や固形腫瘍の登録事業は、がん登録の法制化に伴い、発生状況とともに治療成績の把握に向けた登録事業として生まれ変わる必要があります。小児がんの臨床研究を担うグループがJCCG(日本小児がんグループ)として一本化された中で、本学会の立ち位置を明らかにし、関連領域や関連学会と連携して、小児血液・がんの患者・家族の皆さんが望まれる医療を提供すべく、多くの課題を克服していく必要があります。本学会の前身である日本小児がん学会からの働きかけでがん対策推進基本計画に小児がんが取り上げられ、15の小児がん拠点病院や2つの中央機関を中心に国の施策として小児がん医療体制の整備が推進されており、この動きを加速させる上でも本学会の果たすべき役割はさらに大きくなっています。また、今まで小児という殻に閉じこもっていた感を一新し、サバイバーのトランジションの問題や思春期・若年成人のがんを含めて対応するため、成人領域をはじめさまざまな領域・職種の方々と積極的に交流してまいります。

臨床研究としては、小児血液学会から継続した疾患登録委員会のあり方を検討し、さらに、固形腫瘍の領域にも必要な疾患委員会を新設して、軟部組織腫瘍や脳腫瘍も含めた様々な登録事業と連携して、わが国の疾患動向と予後の推移を把握し、現在直面している課題や問題を提示し、解決する手段、対策や助言を行っていきたいと考えています。また、疾患横断的に難治例の問題、晩期合併症や二次がんの問題、さらに、福島の問題も含めた被曝との関連について学会という立ち位置から真摯に向き合い、研究者および研究グループが質の高い研究成果を発信できるように研究およびその基盤を支援していきたいと思います。

さらに、小児血液疾患・小児がんが希少疾患であるため、国際共同研究なくして治療開発が困難な時代になっています。インフラが充実し、情報化社会になった今、多くの情報を共有して患者・家族に最高の医療を提供することが可能な時代です。すでに学術集会ではEnglish sessionの充実が図られ、Pediatric Blood & Cancerが本学会の公式英文機関誌になりました。欧米との交流を推進し、アジア地域ではリーダーとして諸国との学術交流や医療支援活動を行います。

最後になりましたが、患者・家族、さらに支援者の方々と交流し小児血液疾患・小児がんのトータルケアの向上も重要な課題です。患者・家族および医療者に対して、最新の正確な情報を発信することで、患者・家族が安心して医療を受けられるようにホームページやイベントなどさまざまな広報手段を駆使して情報発信を図ります。

私は、理事会や各種委員会活動の活性化と合理化を図り、会員の皆様と一丸となってこれらの目標を達成できる学会運営を目指します。

皆様には、ご理解の上、絶大なるご支援ご指導の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本小児血液・がん学会
理事長 檜 山 英 三
(広島大学病院)